今回は趣向を変えて

 シャベココです。今日もやっていきますよ、読書感想文。
 と言いたいところなんですがね。先月本読んでないんですよ。いや、読んでないことはないけどね、ここで記事にしたいような面白い本に出会えなかった。続きを読めば評価が変わるかもしれないというのが一冊、主人公が気に食わなくてかつ変化が見込めないのが一冊。前者に関しては来月書くかもしれない。つーか別に先月読んだもので書かなきゃいけない決まりは無いんだけどね。思い出すのが大変なので。
 つー訳で今回はタイトルにもあるように趣向を変えて、漫画の紹介でもしようと思います。

星屑テレパス  大熊らすこ

 内気な少女・小ノ星海果は、自分の居場所は地球には無い、宇宙に行って宇宙人に会いたいと考える。高校2年の始業式、海果のクラスに転校生がやってきた。自称宇宙人の明内ユウである。騰がってしまい上手く話せない海果のおでこにユウがおでこをくっつけると、海果の感情がユウに流れ込んだ。宇宙に行きたい海果と宇宙に帰りたいユウが共に宇宙を目指す物語。
 百合です。とっっっっっっっっても素敵な百合です。おでこくっつけるやつ、おでこパシーと呼ばれてるんだけど、これがいい雰囲気なんですよ。身体的接触を伴う百合。キッスではないの。もっと進んだえっちぃ行為でもない。ただおでこをくっつけるだけ。この距離感というか、付き合い方が絶妙。キッスにまで発展しないのがいいわよね〜。話すのが苦手な主人公と話さなくても分かる宇宙人の対比も見事で、こう言う関係だからこそ口に出して言う『心からの言葉』が強く印象に残る。勿論登場人物は他にも居るんだけど、皆いい子ばっかりなの。そしてその子らも、言葉なんていらないんじゃない?ってぐらい周りをよく見て察することができて、だからこそ言葉にした感情が刺さる。悪意の人間がいないので心穏やかに眺められるのも良い。
 なんか色々語った上で言うのも何だけど、この作品語る上でまずは単行本の表紙絵見て欲しい(まずはって何だっけ)。
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こんなん。やばくない?作品世界観の美しさが伝わってくる。ユウちゃんの髪の毛の広がりが画面に躍動感を産んでるし、先述の『接触型百合』というのも表現されてる。そして、この絵の雰囲気が殆どのカラーページでも同じように適用されてる(単行本では白黒だけど)。どころか、普通に白黒の本編でもこんな感じ。色が無い分、代わりにコマ周辺の装飾でぱっと見の絵力の強さを引き出している。その装飾も見事で、例えば殆どのコマで髪の毛やら腕やら、何かしらのものがはみ出していることで動きを出したり、星を散りばめて可愛く彩ったりと言う感じ。色がないのに見劣りしない。まあつまり何が言いたいかというと、画力が高すぎる。
 で、強すぎる感情と強すぎる絵力がドッキングしたらどうなるか。答えは簡単。超新星爆発が起こる。何度死にそうになったことか。というか何度死んだことか。
 百合に殺されたい人は是非読んで見てください。開幕3ページぐらいで死ねるから。