おひさ〜

 おひさ〜じゃないが。どんだけ空いたんだ前回から。4月最初の土日とか普通に暇だったのに何で書かなかったんだ。愚図め愚者め愚鈍め。骨頂of愚ですよまじで(この表現気に入ってる)。
 そんなトリプル愚のシャベさんが今回紹介する本は此方でござい〜。

100文字SF 北野勇作

 文字通りの内容。100文字で書かれたサイエンスフィクションが200作収録されてる本です。作者のTwitterで公開されている作品から厳選された200篇。何れもハイレベルです。
 100*200。1冊通してたった20000文字です。なのに情報量がすごい。一つ一つが独立したエピソードであるとはいえ、描かれている世界の広さが凄過ぎる。しかもその世界をたった100文字で表現しきっている。勿論世界観の説明だけに100分の100文字を使うわけではない。きちんとストーリーまであった上で世界観の提示がなされているのだ。SFだけあって当然作中世界には読者の常識が通じない。例を挙げればキリがないが、中にはそもそも人類が存在しない世界でのエピソードもある。そのことが頭にスッと入ってくるのすごい。ストーリーを語りながら並行して説明がなされている。説明からシームレスに本題に移行している。そもそも言わなくてもわかるでしょ?ってな感じで端折られたり短く纏められたりすることも多い。自分もSFではないけど同じように前提となる世界観が読者のそれとは違うタイプの作品を描いてるんだが、説明パートを設けてそこに1000文字強かけてごめんなさいって感じ。この際余談挟むが、自分の小説の方は進捗がクソすぎるから暫く世に出せません。プロローグに時間掛からな過ぎて見積もり甘くした。
 あと、この小説の100文字と言う数字の丁度良さ。これより多いと面白くないんだよね、多分。薄めて伸ばす感じ。100文字と言う狭い制限があって丁度な濃さになっている。どの作品も元の文字数が少な過ぎで、それでいて内容がしっかりしているのでその気になればいくらでも膨らませることはできるだろうけど、作者はそうしなかった。100文字にした時が心地良過ぎてもっと字数を増やすとか出来ないと思う。
 あとは装丁。ここもハヤカワさんの遊びが効いていて、タイトルや帯の紹介文はおろか、作者略歴まで100文字で書かれている。凝り過ぎ。
 そんな訳で超久々のブログ更新でした。次は何読もうかな。