今年最後の

 2021年、過ぎるの早くないですか?というわけで今年最後の書評ブログやってくよ〜。

4年霊組 こわいもの係 床丸迷人

 今回もつばさ文庫からの選出です。前回のブログでも書いた通り多分今の人類は俺が想定していた以上に読書経験に乏しいので、初心者の読みやすさ重視です。私の身体の3割はつばさ文庫でできているってぐらい読んだレーベルの大好きなシリーズです。
 お化けの噂が絶えないあさひ小学校。怪異による被害から生徒たちを守るため、毎年4年1組の女子出席番号4番が“こわいもの係”に選ばれ、事件解決に乗り出していく。今年選ばれた友花は、鏡の精の鏡子や座敷童の花ちゃんと出会い、こわいもの係として奔走する。そんなお話です。
 私が本読みになったきっかけであり怪異好きになったきっかけでもある小説です。第1回つばさ文庫小説賞の受賞作なのですが、作者さんは本作が初執筆だそうな。そういうわけで、俺が『素人でも本って書いていいんだ!』と思ったきっかけでもあります。実行に移したのはだいぶ後だが。というか、床丸先生、初心者の文章力じゃないです。シナリオの辻褄や伏線がしっかりしていてギャグ描写も十分にある。天才か?初心者文字書きのハードルをブチ上げないでくれ。
 児童書だけあって、内容は基本的にハートフルな感じです。可愛い女の子が可愛い怪異とわちゃわちゃする感じです。語弊があるかもしれませんが嘘は言っていません。怪異も女の子たちも可愛いです。絵は浜弓場双先生。あのおちフルの人。そういう方向に目覚めたきっかけでもあるかも。
 続編もあります。4年が5年に変わるんですけど。5年の方は13までナンバリングされています。4年にはいなかったキャラが増えたり、既存のキャラが退場するシリアスな展開があったりと山と谷が激しくなります。
 普通に大人が読んでも楽しい小説です。魑魅魍魎の新解釈も見られて面白いです。怪異好きの方は特に、ぜひ読んでみてほしいです。