今月の1冊的な

はいこんにちは。シャベココです。Twitterでは違う名前を名乗り出したけどシャベココさんです。いつか戻すから……。(追記:戻したぜ。また何時変わるかわからんが)

先週はテスト前ということで書けなかった、月の最初の週の企画。1週遅れでやってくよー。先月は小説阿呆ほど買ってたから、本当に1冊読み終わる前に2冊買うぐらいだったから、1冊に絞るの大変だわ。

神様のいる書店 三萩せんや

今月のテーマはこれにします。シリーズ物です。1冊には絞れなかったので2冊です。本好きの少女が魂のやどった本まほろ本」に出会うひと夏の物語と、その後の冬の物語。単行本だともう1冊あるらしいけど、文庫派なので知らない。何年か前に読んだ時のうろ覚えの記憶では九十九神のお話だったけど、読み返してみたらだいぶ違った。大切にされた物に意思が宿るのが九十九神だけど、まほろ本は、なんで魂が宿るかわからないらしい。本来肉体に宿る筈の魂が、何かの拍子に本に宿っちゃった物がまほろ本。魂が本来形作る予定だった動物に本がくっついてる感じ。本の部分が文字通り本体で、動物の部分には触れることが出来ない。作中では、お化けだなんだと言って気味悪がる人も多く、そういう人たちから買い取られたまほろ本が、まほろば屋書店で新たな読者との出会いを待つことになる。新たな出会いという事は勿論、まほろ本を買って行く人も少なからず居る。じゃないと商売上がったりだしね。という事は当然、まほろ本を気味悪いとは思わない人も居るという事で。主人公のヨミもその1人だった。彼女のスタンスは「本好きだから、本とお話できるのんて素敵」というものだったが、こういう非日常への憧れという意味なら俺もまほろ本を欲しがる方に分類されるだろう。1冊頂けないかしら。

シリーズ1作目では、ヨミとまほろ本との出会い、そしてヨミの成長と恋を描いている。2作目では、自傷するまほろ本(ページが破れたりする事は怪我と同義)と、経年劣化によるまほろ本の死を描く。どちらもまほろ本ならではと言うか、普通の人間だとか九十九神だとか、その他どんなキャラクターでも表せない感情がある。今回に限らず、その作品独自の要素というものをオススメする気は更々無いが、こういう所も面白さの一つであるとは言っておく。

まほろ本というのは紙の本であって、昨今増えている電子書籍に宿ることは無い。こういうのも、俺が紙の本派である理由。このつまらんリアルにまほろなんて代物が実在しない事は100も承知だ。けど、だからこそ、紙媒体の神秘性というのが好きだ。シリーズ2作目では、痛みゆくまほろ本と、それに宿った魂の寿命なんてものも描かれたりしていたが、そういった有限性も込みでの良さというのがあるのだろうか。

最後に粗筋を書くことになるが、一言で言えば、日常から非日常への変化、といったところか。現実の世界観に生きていた主人公が、ある日突然非日常に出会う。現代の現実を舞台にしたファンタジー。超絶大雑把に言ってしまえば物語シリーズとかと同じ括り(雑すぎるな……)。こういうのが性癖という人も少なくないだろう。そういう人は読んでみてね。